ネットで小説を書いている人間が駄文を連ねる場所。

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 続くはずのない没物語が帰ってきた!
 流石に15禁くらいかな。ちょっと不味い。
 そういうわけで、子供は続きを読んじゃ駄目ー









 俺が女になって、はや一週間が経とうとしている。
 既に家族やクラスメイトは俺の女人化を全面的に肯定するという、本人以上の適応力を見せており、姉貴の全面的な協力もあってか、俺は女に磨きをかけている。
「ニューハーフの諸姉は独特の発声法により、女のような声で喋ることが出来るという。メラニー法というらしいが、これは是非やらねばならない」
「へえ。確かに、野太い声は嫌だな」
「だろう。そこで、メラニー法を教授してくれる大学の友人を連れてきた」
 姉貴の顔の広さには驚かされる。この一週間で、俺は『姉貴の友人』というカテゴリに属する、十人の人間と面会している。
 美容師見習いのヨッコを筆頭に、全身を改造しまくって女体となったニューハーフ(ちょん切ってた)やら、超イケメンのナンパ師(姉貴が奴隷のように扱っていた)やら、エステシャンの卵(超巨乳だった)やら、俺を女にする上で必要な人材が揃いすぎている感がある。
 おかげで、俺はニューハーフのアケミさん(源氏名)に男が女として生きるための知恵を教えて貰い、ナンパ師(姉貴をナンパしようとして逆に落とされたらしい)に、口説かれたときの対応を教えて貰い、エステシャン(二度言うが、超巨乳)に、スリムなボディを作るための知識と、簡単なエステを施して貰った。
 他にもアニメオタクが二次元の美少女と現実の女の違いについて熱く語ったり(思いの外、有用な知識が多かった)、合気道の経験者が痴漢撃退法を教えてくれたりしている。
「姉貴は、なんつーか、すげえな」
「うむ。テツ……いや、ヨシエも私を見習って、可憐な乙女になることだな」
 可憐な乙女は超イケメンのナンパ師の金的を蹴り飛ばすこともしないし、合気道経験者を放り投げたりもしない。アニオタの語る内容の全てに補足もいれないし、そもそもチョン切ろうとはしない。
「……頑張るよっ!」
「うむ、愛いヤツめ」
 最近の俺は、こう、男とか女とか言う前に、人間として成長したと思う。

 高校での俺は、既に女として女子トイレを使い、体育の着替えは女子と一緒にしている。
 トイレはともかく、着替えは不味いだろうという俺の常識的思考とは裏腹に、クラスの女子は「女の子同士だもん」という一言で片付けた。
「大丈夫大丈夫。恥ずかしいって子は、ちゃんと女子バレー部の部室で着替えることで納得してるから」
「まあ、誰も部室使わないみたいだけどね」
 女の子としての恥じらいが無いというよりも、既に俺が女の子として認知されているからこその状況らしいのだが、俺は少なくとも肉体的には健全な青少年男子であるから、クラスの女子一同の下着姿に、当然ながら前傾姿勢のまま着替えることになった。
 姉貴で免疫が多少なりついていたものの、愛しの御薗橋は「御姉様の着替え……」という謎の呟きを放って、食い入るように俺の着替えを見つめ、委員長に至っては「隙有り!」と背後から胸(シリコンパッド)を鷲掴みにすると言う暴挙に出た。
「あんまりじろじろ見ないでね……」
 バレー部の部室に行かなかったモノの、やや恥じらいを残していた学園のアイドル、小早川雫が頬を赤らめながら、もぞもぞと着替えている様子は、逆にそそってしまうという有様。
「さわりっこする?」
「丁重にお断りします」
 委員長が思っていたより大きな胸を背中に押しつけたが、これは俺の鋼の意志に自画自賛の拍手を送るところだろう。
「……下半身は正直だけど?」
「コイツ、実はツンデレなんだ。額面通りに受け取ったらバッドエンドらしいぞ」
 アニオタの知識は、主に詭弁として活用させて貰っている。

「相良さん、一緒に帰らないかい?」
 忘れてはならないのが、転校生の山田爽海君である。
 クラス一同の策略により、すっかり俺を女と勘違いしている山田君は、なんと俺に惚れ込んでしまったらしい。昼飯や下校を一緒にと誘われているが、ここはナンパ師直伝の断り方を上手く活用している。最初にナンパ師を連れてこられたときはどうしようかと思ったものだが、流石は姉貴である。
 とぼとぼと去っていく山田君には申し訳ないが、別に俺は男が好きなわけではない。この珍妙な生活をはじめたのは、全部が全部、御薗橋のためなのである。明るく、裏表のない笑顔を、俺だけに向けてくれればと思っただけなのだ。
「おねーさま! 一緒に帰ろー!」
 だから、勢いよく俺に飛びついてくる御薗橋という素敵な状況は、本来ならば喜ぶべき事態のはずである。
 しかし、何故だろう。御姉様というのは、何というか、求めていた恋人像ではないというか。
「御薗橋、あのな……俺は、そーいうんじゃなくて」
「細かいこと気にしちゃ駄目駄目!」
「いや、細かくはないんだが……」
「むむぅ。おねーさまな見た目の割には、あれだね。ヘタレっぽいね」
 こういうあっけらかんとした物怖じしないところが好きだったのだが、それにしてもヘタレはひどい。少なくとも愛のために男を捨てるという悲壮な決意はヘタレにはできまい。
 むふー、と俺の胸にほおずりする御薗橋を断腸の思いで引きはがす。勿体ないことをすると自分でも思うのだが、この容姿である限りは、御薗橋のハートは手中にあるのだ。頭を少し撫でてやると、「んふー」と甘えた声をあげて大人しくなった。
 胸ぐらい揉んでも怒られないんじゃないかと思わないでもないが、姉貴が「付き合うまで手を出すな」と仰るので、俺は生殺しである。
「なあ、御薗橋」
「なぁに?」
「帰るぞ」
 スカートにテントが貼っては、この幸せ空間が台無しである。
 既に俺の女体化と御薗橋の退行に慣れたクラスメイトに挨拶をして、足早に教室を後にした。


 家に帰ると、姉貴が例によって下着姿で出迎えた。大学生なのに家にいることが多いのは、姉貴曰く要領が良いおかげだそうだ。
「流石に身内の下着姿ではもう反応しなくなったか」
 どれ、と姉貴が俺の背後にまわり、ぎゅうぎゅうと胸を押しつけてくる。流石に下着姿では如実な反応を示さなくはなったが、ダイレクトな刺激にはまだまだ弱い。スカートに見事なテントが建設されて、姉貴は「駄目だな」と溜息をついた。
「仕方ないな。とりあえず、髪の手入れからだ。ヨッコを呼んでいる」
「うい」
 ウイッグを綺麗に見せるために、俺の髪は週に一度の手入れが必要とのことである。私服に着替え、化粧を落としてから俺は風呂場に向かった。ちなみに俺はあくまで女なので、下着やシリコンパッド、ウイッグは着用したままである。
 どうやら洗顔中にヨッコが先に風呂場に到着していたようだ。脱衣所にいたのだが、何故か下着姿である。
 姉貴ほどではないが豊かな胸であり、何よりもおっとり顔に似合わぬ黒の勝負下着という出で立ちのヨッコに、当然ながら俺は目をカッと見開いた。
「あれ、ヨシエちゃん。どうしたの?」
「や、髪切ってもらうハズなんスけど」
 ヨッコが俺に気付いて振り返った瞬間に――どうやらブラジャーを外す途中だったらしく――ぽろりとブラジャーが床に落ち、いわゆる生乳というシロモノがふるんと目の前で揺れた。
「えへへ、相楽ちゃんには負けるけど、私もおっきいでしょー?」
 たゆんと弾む生乳に、俺はごくりと唾を飲み込む。
 第一戦闘配置完了。システムオールグリーン。主砲、いつでも発射できるであります。
「あ、駄目だよヨシエちゃん。下半身がテツ君になってるよ?」
 ヨッコは「めっ」と叱りながら、手で胸を隠すと俺のオデコをピンと指で弾いた。
「や、ムシロなぜ裸なのか疑問が甚だ尽きません」
 俺としては大歓迎なのだが、いつの間にヨッコとの間にフラグを立てたのかが謎である。一緒に風呂に入るとなれば、もうそれは恋人の先っぽのほうに存在する行為の前段階である。
「シャワーでも浴びてこいって、相楽ちゃんが言ってたから」
「おそらく、風呂場で俺が待っているという発言だったはずですが」
「うん。だから、ヨシエちゃんとお風呂に入るってことかなーって。女の子同士でお風呂に入るのも、大事な経験だもんね」
 あかん。前から薄々感じてはいたが、ヨッコは天然さんだ。会話が成り立っているようで、実は全然成り立っていない。
 これは珍しく、姉貴のミスである。天然さんに主語や述語を省いてものを伝えるとよく起こる間違いであり、風呂場=入浴の図式が脳内で完成しているが故に、整髪のために風呂場を使うという結論に至らないのだ。
 この大いなる誤解に対して、本来ならば速やかに正解を示し、下着を着用の上、さらにシャツを提供して、整髪をお願いするのが紳士たる宿命である。だが、残念なことに俺は女の子であるからして、どう足掻いても紳士になどなれないのだ。
「入りましょう」
「あはは、完璧にテツ君になっちゃってるよー」
 そう言いながらも、ヨッコはぱんつを脱いで、さくさくと風呂場に入っていく。
 もしここで俺に少しでも真っ当な思考力が残っていれば、どうして「テツ君」とお風呂に入るのだろうと疑問を持つことが出来ただろうし、そもそもあの完璧超人の姉貴がヨッコが勘違いするような言動をするはずがないという結論に至ることが出来たはずだ。
 無論、人生初の生女体をまじまじと観察した俺に、そんな思考力が残っているはずもなかった。
 マッハでマッパになり、やはりマッパのヨッコと向かい合うのだった。
「うんうん。こうして見るとまだまだ男の子だね」
 当然である。ウイッグだけはしっかり固定しているので外していないが、化粧は既に落としているし、肉体は全然弄っていないのだ。まだまだ男の子ではなく、完全無欠の男の子である。
「うふふー。ヨシエちゃんもいいけど、テツ君も捨てがたいなー」
 ヨッコは俺の身体をまじまじと。しかも主に下半身を観察していた。
 しかし、ここで俺の脳みそが急激に警告音を響かせる。
 今までの経験上、この展開にはオチがつく。そう、姉貴が突入してきて鉄拳制裁だとか、ヨッコが何処からかハサミを取り出してちょん切ろうとしたりとか。或いは、せっかくのチャンスに俺のチキンハートが唸りを上げて、しおしおと闘志が萎えしぼんでしまったりとか。
「実はねー、ちょっとテツ君のこと気に入ってたんだー」
 ヨッコの瞳が熱っぽい潤みを帯び、心なしか頬も上気している。
 いよいよ不味い。女体化した俺に委員長が似たような反応を示すことはあるが、あれはあくまでも相楽ヨシエに対する反応であり、相楽哲に対するものではない。俺は自他共に認める特徴のない童顔学生であり、ついでに言えば童貞学生だ。実際、女の子として生活を続けているのも、今までの人生では考えられないモテっぷりに抗えない部分があるからだ。
 従って、テツ君たる俺に裸を披露して艶のある色香で迫ってくる女など、欠片も信用できない。これは間違いなくヨッコが仕掛けた罠であり、色香に惑わされて嵌ると、とんでもない事態に繋がってしまう筈だ。
 筈なのだが、ちょっとばかし色香が強すぎた。

 二時間ほど後、ようやく俺はヨッコに解放された。
 やはりというか、当然というか。予想通りにヨッコの罠だったのだが、ちょっとばかし罠を仕掛けている場所を間違えていたらしい。
 恐るべきはやはり、天然を騙った人工だ。ナチュラルメイクが決して薄化粧ではないことを知った俺でも、天然のフリをした強かな女性を見抜くことは出来なかった。
 聞けば、姉貴はちゃんと「風呂場で妹の髪を切ってくれ」と頼んだそうだ。ここで姉貴が付き添えばこのような展開には至らなかったのだろうが、わざわざ狭い風呂場に三人も並ぶ必要はない。姉貴は部屋で待つという選択をした。
 ここでニヤリと笑うのが俺だったならば、未遂で済んだ。根はチキンなのだから。
 ただ、非常に遺憾ながらニヤリと笑ったのはヨッコだった。どうやらテツ君はヨッコのお気に召していたらしく、それまで通していた天然キャラの毛皮を脱ぎ捨て、つまみ食いを決行。
 幸か不幸か童貞卒業には至らなかったが、文字通り精根尽き果てるまでたっぷりシゴかれた。そりゃもう天国かと思うぐらいにシゴかれたのだが、主砲は度重なる戦闘に金属疲労を引き起こし、遂には本体にまで悪影響を及ぼし始めた。
 三日に一度の定例行事をこの一週間サボっていたので、ある程度の連射は可能だったのだが、流石に二十連射は無理があるだろう。後半はもう、主砲が発射態勢を整える前に強制的にトリガーを引かれていた。
 具体的に説明できないのが非常にもどかしいのだが、俺はあくまでも健全な十七歳の女の子であるから、はしたない表現はできないのである。ただ、はっきり言えるのはヨッコの手先の巧みさをもってすれば、カリスマ美容師どころか、ゴッドハンド・ヨッコの異名すら取ることができるということだ。
「えへへー。テツ君すごく良いよ。また来週、ね?」
「はいっ!」
 良い返事をする自分が小憎い。


 思わぬヨッコの暴走ではあったが、これが俺の女人化に好影響を与えると誰が予想したであろうか。
 例によって、体育のための着替えであったが、周囲に溢れる下着姿のクラスメイトに俺はこれと言った反応を示すことなく、ごくごく普通にお喋りしながら着替えることが出来たのである。
 おそらくは、あの強烈なピンク空間が俺に一定の免疫を授けたのだろう。
「ちぇっ」
 委員長の悔しそうな横顔が印象的だったが、平穏な日常が戻ってくるのは悪いことではない。
「よっち、いよいよ女の子だね。そのうち、好きな男子でも出てくるんじゃないの?」
 それだけは無い。
 笑いながら否定したものの、隣にいた御薗橋の耳がぴくりと動くのを俺は見逃さなかった。
 
コメント
この記事へのコメント
(  Д )⌒Y⌒..。..。

ふるんと揺れた胸に魂が震えました。
2009/09/15(火) 23:56 | URL | イルク #-[ 編集]
…ヤっちまった。
栄光の一番乗りを逃してしまった。


それにしても、このお姉さん欲しいです。
2009/09/16(水) 00:21 | URL | 侍二号 #-[ 編集]
>イルクさん
 渾身の表現が魂に響いたッ!

>二号さん
 ちょっと前までレスのない記事ばっかりだったんですけど……どうしちゃったんだろう。
 そんな二号さんにこんな台詞を用意してみました。
「ウチの一番は、アンタやねん。二号さんやけど、一番やねん」
 関西弁がミソとか思う私はアホなんだと思います。
2009/09/16(水) 00:35 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
その台詞はうまい…のかな。
ちなみに関西圏に近い徳島在住な僕だったり。


それにしても、コメントの急増、ですか……。

合作とか言い出したからというのはありますかね。
あと、こうして僕がコメ返しに更に返したりしてるのもさりげなくコメ数を増やしてますしね。

まぁ、何にせよ減るよりはいいことですよ。

見てるだけなROM専さんたちもコメ欄が盛り上がるに連れて「じゃあ俺も……」って書き込むようになって更に増えたりするかもです。

あ、長文失礼しました。
2009/09/16(水) 01:00 | URL | 侍二号 #-[ 編集]
そしてオレは隅に置かれないように食らいつく……。
誰に言われるより先にいっときます。みっともない!

いやぁ、椿山課長の七日間。読みました。
浅田次郎さんの中で――といっても十数冊しか持ってませんが、一番すんげーと思います。
あんな篤いのに一息で読めました。
現代ものは説明が少なくても、理解が早いので、やはり時代小説より読みやすいですね。
……まぁ、プリズンホテルは嫌いですし、憑神は何度も読んじゃうほど好きですが。


だから、まさかこんな時間になっていたなんて想像だにしていなかった。なんたることだ……。


 あ!
ヨッコはイエローカードですね。
それとこのままでは、大塩は女装しますぜ。恐らく。
2009/09/16(水) 04:26 | URL | 月月 #d3xRQPUk[ 編集]
一言だけ言うのであれば


エロはいいね!
2009/09/16(水) 20:00 | URL | 白いクロ #JalddpaA[ 編集]
>二号さん
 私は関西の日和見的ポジション、奈良県民ですぜw

 やっぱり合作とかですかね。なろうではコミュニケーション取ることが少ないので、自前ブログでコミュ取れるのはありがたいですw

>月さん
 食らいつくことがみっともないんじゃない。諦めることがみっともないんだ!
 マンガの名台詞でありそうですね。

 椿山課長、まだ読んでなかったりします(汗
 行く本屋に置いてないことが続いて、探すの忘れてました。
 プリズンホテル、合いませんでしたか……私は好きなのですが、ちょっと人を選ぶのかも知れませんね。

大塩の女装は想定外でした。頂戴しますw

>白いクロさん
 グッド!
 
2009/09/16(水) 21:25 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
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