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そんなこんなで企画小説第三話
だから高木とかいう使い勝手の良いキャラを送るなって言ったんだよー
場を纏めるのが得意なもんだから、異様に出番増えてるじゃねえかよぅ












Breakers! 3



 仁科恵一の家にある、大きな和室に並んだ面々は、とりあえず自己紹介を始めた。
「言うても、半分がクラスメイトやからなあ」
 高木と菅原綾華、榊真琴、大倉佳奈、清水蒼子の五人は同じクラスの人間であり、恵一も留年の憂き目から学年こそ違うが、全員と面識がある。
 それに加えて、綾華達が助けた刹那・降幸・ジンクスという銀髪赤眼の青年。恵一になついた夢守優一。
 さらに、高木達の危機を救った美々子とミーシャ。合計で九人が揃ったわけである。
 恵一が台所で美々子とミーシャの食事を用意している間に、主に高木が舵取りをする形で話は進んでいった。
「……要するに、組織とやらが刹那を追っている。その組織の実験体が美々子とミーシャで、逃げ出した後に敵対している、と」
「ええ。あのロールという少女は、組織でも追跡を担当する人間だ。戦闘に関しては組織でも最上級だな」
 美々子の端的な言葉に、高木がしきりに頷く。あまりにも現実味に欠ける話であり、綾華や榊。それに優一はおとぎ話でも聞いているような気分である。
 だが、実際に空を飛んで、魔法的な力を使ったロールを目の前にしている蒼子や佳奈は、否が応でも信じざるを得ない。
「ごめんなさい。僕の所為で、皆さんにも迷惑を」
 刹那がぺこりと頭を下げる。だが、高木と榊は首をゆっくりと横に振った。
「平気だ。こういう展開には慣れている」
「ウチは慣れてへんけど、許してあげる。良い男だし」
 ちっとも慣れていないし、この上なく迷惑な話にしか思えない綾華や蒼子であるが、なまじ常識人であるが故に、この特異な空間では発言力が薄い。佳奈はしばらく刹那を観察して「んー、私の趣味とは違うかな」と言い放つだけだった。
 同じ変態でも、榊と佳奈は方向性がかなりズレている。共通の特徴を持つ二人だが、そのベクトルの違いによって犬猿の仲なのである。
「……ふむ。しかし気になるのが、組織から狙われるほどの不幸体質だな。一体、どれくらい不幸なのだ?」
 高木が問いかけると、刹那は赤い瞳をぱちくりとさせて、うぅんと唸った。既にとっぷりと不幸の中に浸かりすぎており、己の不幸加減がイマイチよくわからない。
「質問を変えようか。今まで何度ほど、死ぬような目に遭った?」
「えぇと……一日で五回ぐらいで……それが十八年……ちょっと計算するから待ってて」
「いや、もういい。よくわかったから」
 むしろ、それだけの不幸に見舞われながら生きている時点で、おそろしい幸運児なのかもしれない。
 高木はふむふむと頷きながら、この状況を解決するための道筋を考え始めた。
 まず、相手が戦闘力を有しているのであれば、普通の人間などいても邪魔なだけになる。今までトンデモな面々と繋がりの強かった恵一や、あらゆる不幸の中で生存してきた刹那は戦闘に駆り出しても問題ない。
 また、美々子とミーシャは間違いなく戦力になる。美々子の持つ日本刀は、高木の有する桜花ほどではないにしろ、かなりの業物である。しかも何処から手に入れたのか、ピストルまで所有している。重火器にも詳しい蒼子の話では、S&M645のカスタムモデルらしい。一発で見抜く蒼子は、ガンダム好きなだけではなく、基本的に火薬が詰まっていれば何でも好きなようだ。
 だが、その蒼子本人は残念ながら戦力とは換算できない。また、綾華も状況について行けずに混乱しているようであるし、別の意味で戦闘力の高そうな榊と佳奈も、ガチのバトルでは残念ながらその変態性を発揮するには至らない。
 優一に関しては、正直よくわからない。機転はきくようであるし、恵一に妙な懐き方をしているので連携させると功を奏するかも知れないが、それも相手がソルトという格闘を主に武器とする人間だったからだ。魔法を相手に戸惑われては目も当てられない。
「……ふむ。大方決まったな。美々子、ミーシャ。刹那と仁科に僕。この面子で対抗しよう」
 高木の判断に、美々子は不思議そうに首を傾げる。
「私とミーシャは良い。刹那とやらも当事者だから、対抗して貰わねば困るが。仁科とお前は無関係だろう。さほどの戦力にもならんのだし、ここで待っていればいい」
「残念ながら、そういうわけにもいかん。なぜならば、こんなに面白そうなことを僕抜きでやるのは我慢ならんからだ」
 高木の言葉に、美々子はふと眉を逆立てた。
 お遊び感覚の人間など、いても困るだけだ。死地をくぐり抜けてきたならばともかく、単なる高校生の二人が、あの魔法と格闘技にどう対抗しろと言うのだろうか。
「いーじゃないの。死にたいヤツが死にたいって言ってるんだから」
 ミーシャがフンと鼻息を荒くして高木を見る。高木はしばらく黙っていたが、おもむろに髪を掻き上げて眼鏡を外して見せた。
「……仕方ないわね。別にアンタの為じゃないけど、死なれたら夢見が悪いから助けてあげるわよっ!」
「うむ、素直なミーシャは可愛いな」
 高木はそれだけ言って、すぐに眼鏡をかけ直す。途端、ミーシャが「あれ、なんで私認めてるの?」と不思議そうに首を傾げた。
「また囲いやがった」
 恵一が調理を終えたのか、どんぶりを持って台所から出てきた。よくわかっていない他の面々を軽やかに無視しながら、恵一は高木の話を聞いていたのか、打ち合わせに入る。
「とりあえず、あのソルトっていう金髪少年を、ちょっとの間ぐらいなら受け持つぜ」
「ああ、ならばあのロリ巨乳を美々子と僕で手に入れて、大倉に引き渡そう」
 佳奈が「ひゃっほう」と歓声をあげる。おそらく、この状況を喜んでいるのは高木と佳奈だけである。
 美々子とミーシャが恵一特製のチキン南蛮丼を堪能しつつ、大いにはしゃぐ佳奈や、状況を理解できずに狼狽える蒼子や綾華を見る。
「……なんというか、変な場所だな」
「美々子が関わるからでしょ。私は、美々子がいてくればそれでいいんだから」
 美々子は「嬉しいが、女同士だ」とにべもない。ミーシャは急に怒り出して、がつがつとチキン南蛮丼を貪る。美味い。
「さて、それじゃあ菅原と清水。それに榊と大倉は帰宅しておけ。夢守さんとやらも、後で仁科とイチャつかせてやるので帰ったほうがいい」
 高木が言うと、蒼子と綾華は顔を見合わせて戸惑った。
 この奇天烈な状況から解放されるのは嬉しいのだが、本当に帰ってしまって良いのだろうかという疑問が残る。
 確かに自分たちがいても役に立つことはないだろう。しかし、もしも追っ手が来ているのならば、自分たちも危ういのではないだろうか。
「……恵一。ここで待ってちゃ駄目?」
 綾華が恵一を見ると、恵一はしばらく思案していたが「ま、かまわねえぞ」と気軽に応えた。
「しばらくしたら千晴も帰ってくるし、ゲームでもして待ってろ。榊も清水も大倉も、好きにして良いぞ。なあ、高木。あのフィアとかいう子、呼べないか。それか天橋辺りでも。あいつら、魔法使えるんだろ?」
「生憎、この世界にマナは無い。粒子とやらはあるが、見えるだけで使い方がいまいちわからんのでな」
「んー、じゃあ俺らでやるしかないか」
 恵一が呟きながら、ふと窓の外を見る。何かしら、妙な気配というか、違和感を覚えたのだ。
 明らかに、おかしい。なんだこの感覚は――
 恵一がそう思って咄嗟に高木を振り返った瞬間に、ばちんと目の前の空気が弾け、庭に繋がるガラス戸が粉々に砕け散った。
「うおおおッ、俺と千晴の城がッ!!?」
「バカ、それどころじゃないだろう。各自避難しろ!」
 御主人様との愛の巣をぶち破られて慟哭する恵一と、慌てて女子連中を逃がそうとする高木。
 美々子が食事を中断して日本刀を手に取る。だが、次の瞬間に金髪の少年が部屋にきりもみ回転しながら飛び込んできていた。
「うお、ソルトカレー!?」
「ソルト・カーリーだ!」
 恵一の言葉にソルトが怒鳴り返し、そのまま襲いかかってくる。急なことに恵一は思わず身体が硬直してしまう。
「ほい来た」
 それを間近で見ていた高木が、ひょいと脚を伸ばす。193cmの長身であるからして、その脚のリーチもまた長い。
 ソルトが跳び蹴りを食らわそうと跳躍したところに、ちょうど高木の脚が配置された形になる。
「ふごッ!?」
「痛い……」
 見事にソルトの鼻っ柱に高木の脚が命中したが、ただでさえ片足で身体を支えていた高木は勢いを殺しきれずに尻餅を着く。ソルトはその場で顔を押さえてうずくまった。
「隙有り!!」
 美々子が日本刀を引き抜き、ソルトに斬りかかる。
 不意の大惨事に、耐性のない蒼子や綾華が目を覆うが、幸か不幸か流血沙汰には至らない。
 寸前のところで、ロールが衝撃波を放って美々子の刀を弾き飛ばしていた。壊れた窓からロールが例の如く空を飛んで入ってくると、ソルトを見て溜息をついた。
「ここ、狭いわね。ソルトちゃん、大丈夫?」
「ちゃん付けするなって……いや、それより場所を変えたい!」
 ソルトが復活して、ロールの隣に並ぶ。ロールは少し思案をして「そうね」と呟いた。
「ここじゃ、ソルトちゃんの力も発揮しにくいわね。場所、変えるわよ」
「ふむ。地の利があるのに僕たちがここを動くとでも思うのか。冗談はその年齢に似合わぬ胸だけにしてもらいたい」
 さりげないセクハラを交えながらの高木の挑発に、ロールはフンと鼻白む。
「貴方達に決定権なんて無いのよ」
 パチンとロールが指を鳴らす。その瞬間、周囲の風景がぐわんとマーブル模様のようにゆがみ始めた。
「……転送魔法か」
 高木は舌打ちをして、悪酔いせぬようにそっと目を閉じた。
コメント
この記事へのコメント
キャータカギクーン
キャーケーイチサーン

流石二人は格が違った。
面白かったです。
2009/10/03(土) 17:55 | URL | 中村屋 #-[ 編集]
高木「千の言葉に万の罠!黒衣のサムライ、高木聖人!」

ロール「!?」



圭一「千の料理は万の味!千晴のメイド、仁科圭一!」

ソルト「……?」
2009/10/03(土) 18:28 | URL | 侍二号 #-[ 編集]
>中村屋さん
 あいつらは書き慣れてる分、どうしても話の中心になっちゃうんですよね……
 まあ、今回はあくまでも中継点ですから、今後は他のキャラも活躍するはずですw

>二号さん
 恵一です。圭一ではなくw

 せっかくなので恵一の名乗りを次の記事で考えてみましたw
2009/10/03(土) 20:13 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
おっと
これはまた見事に返還ミスをやらかしてしまいました
2009/10/03(土) 20:53 | URL | 侍二号 #-[ 編集]
さては狙ってるな。
突っ込むもんか。突っ込む門下。

返還→×
変換→○

あーあ。
2009/10/04(日) 00:02 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
要望を聞いてくださってありがとうございます!
私、あなたの(書いたキャラの)変態っぷりが大好きです!(笑)
2009/10/05(月) 19:28 | URL | 紅葉砂糖 #XiQ4N6L6[ 編集]
>紅葉砂糖さん
 ドコまで要望に叶っているか甚だ疑問という状態で書き進めております(汗
 なんか変態作家的ポジションが確立しそうだー!
2009/10/06(火) 14:09 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
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