ネットで小説を書いている人間が駄文を連ねる場所。

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 最近のニコニコ→ランジェリー大根
 最近のクリスマス→2chで小説談義
 最近の映画→遅れて上映するマクロスFの予告「私の歌を聴けぇー!」

 映画館でバイトしてると、映画ってのは案外アッサリ終わってしまうんだなぁって思う。
 早いものだと二週間。長くても二ヶ月~三ヶ月。
 見ようと思ってるうちに終わった作品も多くて、結局バイト先で見た映画はそんなに多くない。

 今年見た映画で面白かったのは「南極料理人」「サマーウォーズ」「カールじいさんと空とぶ家」
 映画館という括りを除けば「フィッシュストーリー」とか「レッドクリフ」「アフタースクール」なんかもDVDで見て、とても面白かった。
 アバターはストーリーが良いらしいけど、予告から想像したストーリー予想を、もう見た人に言ったら「見てないのに何故わかる」と言われた。
 もう少ししたら見る。

 流れぶった切る勢いで外典黒衣三話。高木編。





 時間を遡ること、一時間ほど前のことである。
 高木聖人は帰りを共にしていた鵡海雄介と別れると、そのまま駅前の本屋へと入っていった。
 元々読書家である高木だが、単に本を求めていたわけではない。ぐるりと店内を見渡して目的の人物を見つけると、彼女の頭にぽんと手を置いた。
「悪い、待たせたな」
「ううん、平気だよ」
 高木の言葉に振り返ったのは、同じクラスの天橋ひとみである。
 ぱっちりとした目元と、常に微笑を絶やさない彼女はクラス――否、学校でも一番美人であると噂される美少女だった。
 やや亜麻がかった黒髪を背中の半ばまで伸ばし、涼しげなのに愛嬌のある顔立ち。性格もやや天然と称される部分こそあるものの、誰にでも優しく、人望も厚い。まさしく天が間違って二物も三物も与えてしまった、天衣無縫という言葉に相応しい女性なのである。
 長身ながら、取り分け男前というほどでもなく、やや神経質な面構えをしており、野暮ったい高木とはおよそ釣り合いが取れないようにも見えるが、この二人はれっきとした恋人同士である。
 同じクラスに所属しながら、駅前の本屋で待ち合わせをするのは少々回り道であるが、これは高木が望んだことである。
 学園のアイドルと名高いひとみと恋人同士という間柄であれば、さぞかし鼻も高くなるというものだが、高木自身から見てもちっとも恋人との釣り合いが取れていない。目立つことをさほど厭うわけではないが、無理に目立ちたがる性分でもないので、余計な波風が立たぬようにと配慮した結果が、交際を表沙汰にしないということだった。
 同じ学校の人間もよく利用する本屋ではあるが、誰彼なく優しいひとみは男友達も多い。会話さえ聞こえなければ、周囲の人間は偶然出会ったようにしか思わないだろう。釣り合いが取れていないならば尚更である。
「有耶無耶にでも行くか」
「そうだね」
 有耶無耶とは、彼らがいきつけにしている喫茶店のことである。裏路地に入ったところにある、小さくて目立たない趣味でやっているような店であるが、それだけに同じ学校の人間も来ることが無く、それでいてコーヒーも美味いのである。
 人前で手をつなぐような性格ではない二人であるし、高木の言葉は妙に堅いのでおよそ恋人らしからぬ様相であるが、それでも二人は楽しそうに連れ添って歩く。
 そんな折だった。
「……なんだか、眩暈が……」
 ひとみが不意に足を止めて、頭に手をかざす。高木も立ち止まり、そっとひとみの顔を覗き見た。
「ふむ……調子が悪いのか?」
「五分前くらいからかな。まるで世界が違う色になったっていうか……いつもと同じなのに、ちょっと違うように感じちゃって」
「疲れているのかもしれんな。そういえば、先ほど鵡海も別れ際に様子がおかしかった。妙な風邪が流行っているのかもしれん。今日は大人しく帰るか?」
「いやだよ。放課後デートは週に二回って、ちゃんと決めたでしょ」
 高木の気遣いに、ひとみは頬を綻ばせる。無愛想でぶっきらぼうだが、それだけに細やかな優しさが嬉しく思えるのだ。
 元々、想いを伝えたのもひとみからであり、一度は断られたものの、諦めることなくアタックしたほどである。
「座って休めばすぐ治ると思うし、行こうよ」
「ふむ。ならばそうするか」
 高木は安堵したように息をつくと、先ほどよりも少し歩調を落として歩き始めた。ひとみもそれに続こうと、一歩を踏み出した――はずだったのだが。
「へ?」
 歩こうとするよりも先に、間の抜けた声が口から漏れていた。
「どうかしたか?」
 振り返る高木に、ひとみはゆっくりと上空を指差した。ちょうど、今から向かおうとしている方向である。
 高木は指差したほうを見て、首をかしげる。何の変哲も無い青空が広がっているだけだったからだ。
 それでも、ひとみの目には恐ろしいものが映っていた。
 その姿かたちは鳥だった。上空十メートルほどのところで、真っ白な翼をばさばさと羽ばたかせ、くるくると一点を中心に旋回している。それだけならばあまり見ないだけの光景だが、異様だったのはその大きさと、見た目だった。
 まるで遠近感を無視するような大きさ。距離を考えても、翼を広げた幅は二メートル近くあるだろう。しかも、嘴は鋭く、脚の先には獲物を捕らえるための大きな鉤爪が備わっている。
 その特徴は、猛禽類そのものであった。およそ街中に現れるような鳥ではない。
「タカ……ワシかな。けど、どうしてあんなところで……」
「ふむ、どうした。鷹に鷲……幻覚でも見たか?」
「え、聖人には見えないの、アレ?」
 恋人の予想外の反応に、ひとみが思わず声をひっくり返して驚く。
 どう見ても、あの鳥を視認できないはずがない。さてはからかっているのかとも思うが、高木は心配そうにひとみを見ていた。
「おそらく、僕には見えないモノではなく……ひとみにしか見えないモノだろう。指差した場所に本当に鷹だか鷲だかがいたとすれば、他の人間だって気付くはずだ。だが、周囲を見てみろ」
 高木に諭されて、ひとみは自分の周囲。駅前広場の様子を見やった。学生服を着た、おそらく同じ学校の男子が犬に追いかけられているようで、しかし、その様子も上空の猛禽類にも、誰も気付いている様子は無い。
「わ、私がおかしいのかな……どうしよう、本当に幻覚でも見てるんじゃ……」
「そう慌てるな。とりあえず……そうだな。一度、この場所を離れようか」
 仮にひとみにだけ見えている猛禽類が本当に存在したとするならば、まさか人を襲うことはないにしろ、あまり騒がないほうが良いという判断である。
 高木はひとみの手を引き、目的の喫茶店に急ぐことにした。だが、そこで再びひとみが身体を竦ませる。
「きゃあっ!?」
 真っ白な猛禽類は、不意に旋回をやめてひとみめがけて急降下を始めたのである。咄嗟に手で頭を覆ってしゃがんだのだが、それでも背中に熱く、鈍い痛みが走った。
「ん、くぅ……」
 痛みに顔を顰めるひとみだが、それよりも隣に立っていた高木は驚きを隠すことができなかった。
 突然ひとみがしゃがんで、次の瞬間にひとみの背中に二本の線が走り、厚手の制服の一部が裂けたのである。それはまるで、鷹の爪痕のようだった。
「くそ、よくわからんが危険だ。ひとみ、走るぞ」
「え、え、えっ!?」
「背中は大事無い。とにかく建物の中に逃げ込む」
 高木はひとみの脇に両手を差し込み、勢いよく立ち上がらせる。そのままひとみを抱きかかえるようにして、先ほど出たばかりの本屋に逃げ込もうとする。
「わわっ。本屋は駄目っ、狙われてるよっ!」
「くそ、路地裏だ!」
 ひとみが言葉から、高木はすぐに判断を下す。爪痕からすると鷹の大きさは相当なもので、ならば細い路地に入ってしまえば迂闊に近寄ることはできないはずである。
 この判断は間違っていなかった。高木がひとみを連れて裏路地に駆け込むと、ひとみは上空を確認して、ほぅと小さな溜息をついた。
「大丈夫……見失ったのかな。広場の方でぐるぐる回ってる」
「ふむ……なら、背中を見せてくれ……くそ、制服が幸いして大きな怪我にはなっていないが、それでもうっすらと血がにじんでいる。手当てしないとな」
「けど、あの鳥は?」
「狭い路地には入ってこれないようだ。幸い、この路地は細いままに学校の目の前まで通じている。近くに病院もないし、保健室に行こう。保険医とは仲が良いから、上手く取り計らってくれる。動物の爪には細菌が多く、下手に放置すれば化膿してしまう」
 高木は学生服を脱ぎ、ひとみの肩にかける。ひとみは高木の手をぎゅっと握り締め、ぴたりと身を寄せた。
「大丈夫だ。僕がついている……と?」
 励まそうと思ってひとみを見ようとした高木が、ふと首をかしげる。
 路地の少し先に、見覚えのある顔が二つ、並んで歩いていたからだ。同じクラスの男女のペア――その片割れは、先ほどまで隣を歩いていた鵡海雄介。そして、もう一人は日陰者の安部琴美だった。
 すたすたと雄介を先導するように歩く琴美と、その後ろを不安げについていく雄介に、高木とひとみは揃っていぶかしんだ。
「妙だな。鵡海は駅に向かったはずなのだが。こんな路地で何をしている……?」
「あの二人、付き合ってるのかな……けど、なんだかおかしいよ。安部さんが前を歩いてて、鵡海君がオドオドしてる」
「いや、鵡海に恋人はいないはずだが」
 クラスメイトの性格を考えれば、二人の立ち居地は逆であるはずだった。否、そもそも雄介と琴美が親しくしているような様子を今まで見かけたことが無い。
 そして、それ以上に不思議だったのは、彼らの状況と自分達の状況が、男女を入れ替えただけでとても似通っていたことだった。
「ふむ。声をかけてもいいが、もしも逢引きだったのならばお互いに気まずい。緊急事態ではあるが……ひとみの背中の傷が妙な噂になっても困る。距離を置いて、様子を伺いながら進むか」
 高木の言葉に、ひとみは素直に頷いた。
 見た目は地味で野暮ったく、およそ頼りにならない外見であるが、見えていない筈の真っ白な鷹の存在を信じ、ひとみの背中の様子からその大きさを判断して、無事に逃げおおせたのである。
 背中の傷も大したことが無い。微かに痛むものの、学校までは十分ほどの距離であり、もしも雄介たちが別の道に入ったのならば、高木はその場でひとみの傷を優先してくれるだろう。だからこそ、この場は高木の判断を信じることにした。


 雄介と琴美がオンボロ下宿屋に入っていくのを確認すると、ひとみが上空に鳥がいないことを確認して、二人はそのまま下宿屋の玄関に近づいた。
「どうするの?」
 声を潜めて尋ねるひとみに、高木もまた声を潜めて答える。
「明らかに様子がおかしい。少々不躾だが、聞き耳を立てるとしよう」
「え……勝手に入っちゃうの?」
「バレたら、ひとみの傷を口実にさせてもらう。それよりも……後ろから確認していたが、やはり鵡海の様子がおかしかった。もしかすると、やつも同じ状況なのかもしれない。安部が助けたというのは考えにくいが、もしそうならば僕達も助けてもらおう。それとも、単にここが安部の下宿先で、鵡海を連れ込もうとしているならば……不用意に声をかけてしまうと、後々に阿部に恨まれそうだ」
「……うぅん、相変わらず余計なところまで気遣うね……けど、わかった」
 ひとみはひとつ頷いて、高木に笑ってみせる。
 本当は良心もとがめているだろうし、いつ鳥が襲い掛かってくるかという不安もあるだろう。それでも気丈に振舞えるのが、彼女の凄いところだと高木は思う。
 そんな恋人のためならば、どれだけ危険な場所であろうと踏み入る。たとえ、我が身が危険に晒されようが、それが彼女のためならば厭う理由など何も無い。
「安心しろ。僕が……ひとみを守る」
 高木はそれだけを呟いて、気付かれぬようにゆっくりと玄関のドアを開いたのだった。
コメント
この記事へのコメント
時系列的には黒衣の前なんですかね?


いや、高木がシーガイアに行かなかったパラレルワールドっていうのが適切でしょうか。
2009/12/27(日) 01:58 | URL | 侍二号 #-[ 編集]
オラ、ワクワクしてきたぞ
ふむ、布を巻いた細身の剣ですか……
布巻きの刃物は良いものです。
切りつけた際に飛び散った血液や体液が持ち手に付着したとしてもそれを吸収し、ぬめりを防止する役割がありますから。日本刀なんかその代表選手ですね。
ちなみに持ち手にあるあの鱗のようなギザギザは、握った時に布の水分を絞り、常に乾いた状態を維持すると共に布そのものに食い込んで布の緩みやズレを防止する役割があります。
こんな所にまで細かい工夫の施される日本刀という武器は実に素晴らしい、最高の武器です(微妙にうっとりしつつ)
そういえば黒い犬との戦いで血やら体液が飛び出る描写は存在しましたっけ?
あれ? ひょっとして琴美さんの武器は対魔物戦用ではない?
となると何を斬るための武器だ……
まさか…………マナを使っての暗殺や対人戦闘!!?
琴美さん…………恐ろしい子!!!!
2009/12/27(日) 10:27 | URL | 虹原大好 #4tXsH.Ek[ 編集]
濃ゆい人がおる…!
はうあー尊敬ー。

魔物は……フェンリルとか出ませんかね。
あいつはかっこよろし。僕の中で、真っ白な大きな鷹は、速攻で『ガルーダ』に変換されました。アラビアンナイトとかのロック鳥っすね。
ボス格で是非だしてほしいっす。

あ、阿部と安倍、どっちか覚えてませんが、誤字がありましたよ。
2009/12/28(月) 02:13 | URL | 月 #d3xRQPUk[ 編集]
>二号さん
パラレルワールドが正解ですね。
一応、御主人様は中学生よりも前の時間軸という設定です。
高校二年の春先。

>虹原の旦那
 相変わらずだー。
 まあ、イメージで作ったものなので、それっぽいからと言う理由で巻きつけてあるだけなんですけど……もう、俺の理論武装担当とかでお願いしちゃっていいですかw?
 体液の描写は無いですけど、普通に出てます。死んだら身体も全部蒸発しますけど。
 理由は、マナに侵食されてしまってて、マナに還元されるというものなんですけど、もうマジで中二の頃から考えてる話なので、ここには理論武装が必要ありません。そういうモノってことですw

>月さん
阿部が正解ですね。うわぁあん。
あんまり有名どころの魔物は登場しないような気がするんですけど、まあ、展開次第ですかね。
俺は「敵が欲しいな」と思ってから「とりあえず敵登場させとけ」とばかりに書いて、「やべ、強すぎた」と慌てることが多いです。レイラとか、マジで最初はそうでした。
そういうわけで、無闇に強い敵を登場させて、主人公と一緒に対策を練るという、変わった作者なわけで。

逆に言えば、書き始めるまでどんなヤツが登場するかわかりません。まあ、でっかい鳥とか犬を出すように心がけておきますw
2009/12/31(木) 14:12 | URL | 伊達倭 #-[ 編集]
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