ネットで小説を書いている人間が駄文を連ねる場所。

2017/101234567891011121314151617181920212223242526272829302017/12

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


「痩せたいって言うけど、実は内心で自分は痩せてるって思い込んでるデブが嫌いなの」
 サイトーさんは缶コーヒーを飲みながら、唐突に語り出した。
「デブだと自覚してるから痩せたいって言うんじゃないの?」
 隣を歩く僕は何故かサイトーさんと自分の鞄を両方抱えて歩いている。
「全然太ってないよーとか言われたいから言うのよ。他人に言わせて安心したいの」
「なるほど、奥が深いね」
 サイトーさんは僕の他愛ない感想を聞いてから、一気にコーヒーを飲み干す。
「女は醜い生き物よ」
「男はくだらない生き物かな」
「お似合いね」
「だね」
 僕達の、いつもの登校風景だ。




「世界が百人の村ならば、10人は同性愛者らしいわ」
 サイトーさんは毎朝、登校中に缶コーヒーを飲む。
「38人のウチの教室にも、3人は同性愛者がいる計算になるね」
 僕は朝食のときにコーヒーを飲むので今は鞄持ちに徹している。
「ヤマダとスズキとサトウね」
「決め付けなくても」
「この前、誰に告白されたんだっけ?」
「ヤマダ君だったね」
 男に告白されたのは初めてのことだった。
「スズキさんとサトウさんはデキてるわ」
「詳しいね」
「二人とも私が好きだったのよ。両方振ったら二人が付き合いだしたわ」
「悲しいね」
「そうね。一人余ったヤマダ君が」
 一応、僕とサイトーさんは付き合っている。




「ただしイケメンに限る」
 サイトーさんは缶コーヒーを飲み終えると、すぐに自分の鞄を僕の手から取り戻す。
「有名な言葉だね」
 サイトーさんは物知りを通り越して何でも知っているような気がする。
「別にイケメンに限らないことでも、勝手に限って自虐に走る男が多いわ」
「女性の口説き方のハウツーとかね」
「効果が薄いだけで、有効は有効なのにね」
 果たしてこれは、僕のときのことを言っているのだろうか。
「まさか、女性の落とし方で男を落とせるとは思っていなかったわ」
「確かにイケメンに限らないね」
 あのときのサイトーさんは、イケメンよりずっと格好が良かった。




「男は度胸、女は愛嬌。じゃあオカマとオナベはどうなるの?」
 サイトーさんは夏でもホットの缶コーヒーだ。売っている自販機を探すほうが難しい。
「他人と違う道を選んでいる時点で、既に度胸がある気がするね」
 僕も年中ホット派だ。ただし、家できちんと飲んでくる。
「なるほど、言われてみればそうね。けれど、それだと全員男ね」
「元々男と、男になろうとしている人だからね」
「今日のコウタは冴えてるわ」
「じゃあ、愛嬌はどうなんだろう」
「女なのに愛嬌がない私に言われても困るわ」
「男だけど度胸がない僕に言われても困るね」
 サイトーさんと付き合う時点で、周囲から度胸があると言われたことならある。
 サイトーさんと付き合っていると、彼女に愛嬌があることはよくわかる。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://dateyamato.blog19.fc2.com/tb.php/241-ca1a3c6b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。