ネットで小説を書いている人間が駄文を連ねる場所。

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 ショートショートで似た場面を繰り返す。そういう手法は割とよく見る。
 だったら何故わざわざと思うが、なんとなくやりたくなっただけ。



「私が日本語を好むのは、一人称が多いからね」
 サイトーさんは日によって飲む缶コーヒーの銘柄を変えている。
「私、僕、俺、わし・・・・・・」
 別に決まった曜日に決まった銘柄というわけではないようだ。気分で選んでいるのだろう。
「拙者、某(それがし)、我・・・・・・一人称ひとつで自分の立場や態度を示せるところが、日本人の気質よね」
「サイトーさんは普通に私だね」
「汎用性に富むのよ。コウタの『僕』は社会に出ると相応しい一人称ではなくなるわ」
「私にもそれはよくわかってるよ」
「私が悪かったわ」
 サイトーさんの微妙な顔を見るのも珍しい。





「好きの反対は嫌いというより、興味が無いことよね」
 サイトーさんの缶コーヒーは、特定の時期だけ砂糖とミルクが大量のものに変わる。
「嫌いでいいんじゃないの?」
 それは一ヶ月に一度の割合で訪れて、一週間ほど続く。男にはわからない苦労なのだろう。
「相手に対して激しい感情を抱くという点では、好きも嫌いも一緒よ」
「プラスとマイナスで考えれば正反対だよ」
「でも私は最初、コウタが嫌いだったわ」
 衝撃の新事実だった。
「なんで好きになったの?」
「そういう、無神経なのか純朴なのかわからないところに惹かれたわ」
 絶対に褒められていない。




「草食系男子の定義がわからないわ」
 サイトーさんにもわからないことはあるらしい。缶コーヒーをちびちび飲む様子は小動物を思わせる。
「生まれたばかりの言葉は定義がしにくいよ。それも、流行語となれば尚難しい」
 こういうときに余った缶コーヒーは、学校に到着する前に僕が一気に飲み干す。
「コウタは草食系?」
「定義が曖昧なのに、答えられないよ」
「一皮剥けば、男はみんな狼よ」
「狼は雑食だよ」
「肉食傾向の強い雑食が正解よ。けど、そうなると尚更コウタは狼ね」
 手も繋いだことが無いのに。
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