ネットで小説を書いている人間が駄文を連ねる場所。

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 ワイシャツに袖を通すときの、少しひんやりとした感触が心地良い。
 ピンと折り目のついたスラックスを履き、限界まで絞ったベルトを締めるときほど、自分を認識するタイミングはないだろう。
 ネクタイを手馴れた様子で締めていると自覚する。そして、背広を羽織って、身体全体が程よく圧迫されていることを感じたときに、自分の存在価値を思い出す。

 嗚呼、俺はやはり、これを着るべき人間なのだ。

 ホワイトカラーと言われようが、椅子を尻で磨いていると罵られようが。
 それでも、俺にはスーツが良く似合う。
 細長く、日本人離れした身長をカバーするほど、昨今のアパレル業界に余裕は無く、セミオーダーメイドで拵えたスーツだけが、俺の身体にしっくりと来る。
 戦場に出る騎士ほど、己の鎧にこだわる存在は無いだろう。俺にとってスーツとは、まさに騎士の鎧に他ならず、そのフィット感が安心と責任を与えてくれる。
 この安心感があればこそ、俺は社会の荒波も、不況の影も乗り越えることが出来るのだ。
 どんな作業着も、制服もこれほどの安心と責任を俺に与えてはくれない。
 俺よりもスーツの似合う男は山ほどいるだろうが、俺にはスーツより似合う格好は無いのだ。

 それが喩え、バイトの社員会で懐石料理をタダで食うために着るのであっても。
「伊達ー。社員会参加できるけど、行く?」
「社員会て何スか?」
「懐石の食事会。一万五千円相当をタダで」
「行きます」

 超美味かった。
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